死に行くのか、日本の民主主義
「ヤジと民主主義」を観た
上映していた劇場や期間も限られていた為、なかなか観れなかった映画。アマゾンプライムでやっと観れたが、この映画が作られ上映されたことに敬意を払いたい。
出来るだけ多くの人に見てもらいたいドキュメンタリー映画だ。
ヤジが良いことかどうかは別にして、自由な意見表明を権力で押さえつける事は許されることでは無いだろう。法律を犯している訳では無いのに、警察官が大勢で身体拘束して強制的に排除する映像は恐怖感さえ覚える。
「危険と判断した」根拠が権力側に委ねられるなら、私達はいつでも排除される可能性があるということになる。
個人的には安倍内閣時に、民主主義的なルールが言葉や行動で制限されていくように感じられていた。
現在の米国トランプ政権では、もっとあからさまなように思う。
「民主主義の死に方」(スティーブン・レビツキー、ダニエル・ジブラット著)の中では、選挙で選ばれた独裁者が、どのようにして民主主義的な機構を打ち砕くかについて、以下を挙げている。
一 裁判所を支配する
二 対戦相手を排除する
(メディア買収、逮捕・訴訟、文化人の抑圧)
三 ルールを変える
四 危機による正当化
そして、最後にこう述べる。
「私たちは、民主主義がその内側から死ぬことを防がなくてはならない。」
民主主義って何処に向かってるのだろう
世界を見渡せばポピュリズムの台頭、独裁に近い指導者達の蛮行、政治家達の腐敗。民主主義って本当に理想的な制度なのか疑いたくなるような今日この頃です。
多数決と少数派の尊重の関係をどう捉えるか、民主主義とは選挙に尽きるのか、民主主義は制度か理念か、の3つの問いかけから始まる本書は、民主主義の思想と制度の歴史を振り返りながら、今日的な課題の中から、民主主義とは何なのかを丁寧に考察した良書です。
ポピュリズムの問題は代議制民主主義への不信とグローバルな格差拡大を背景としたもので、両者の解決なしには乗り越えられないこと、独裁と民主主義については、民主主義の本質を再認識し真の民主主義の実現のためのアイデアを競い合いことが必要と著者は考えます。
著者も言うように、本書は現実を批判し理想的な民主主義の形を提案したものではなく、歴史を振り返ることが主となっていますが、逆にそれ故に民主主義の本質は何かを読者に考えさせることになっているように思います。
多くの学者や政治家の思想が端的に語られているのもわかり易くて興味深いものです。
カール・シュミットの「独裁」論はナチスの例を見るまでも無くこれに汲みするものではないが、民主主義の本質を「同質性」、自由主義の本質を「討論」として、両者の間にある対立と緊張を提起したことには注目させられます。
いずれにせよ、私たち一人一人が「政治への参画と責任」を自分ごとと捉え、民主主義の可能性を模索していくこと、このことが重要だと考えさせられる内容でした。

エルビス・コステロ
4月11日 Elvis Costelloの来日公演を見に行った。場所は大阪シンフォニーホールで8年振りの来日。前回もそうだったが、バックバンドは引き連れない弾き語りに近いライブだ。ただ今回は盟友スティーブ・ナイーブとのコラボ形式なので、いろんなアレンジも凝らしたものだった。
コステロの曲と言うと、一般的には映画「ノッティングヒルの恋人」の主題歌「she」が有名だが、自分にとってはデビューアルバム「My Aim is True」の「Alison」が一番のお気に入りである。また初来日の時に日本の詰襟学生服を着てトラック荷台で街宣パーフォーマンスをしている姿は今でも忘れられない。
そんなコステロも69歳。時々音程が外れてないか?と感じるところもあったが、そんなことはどうでもいいのだ。コステロが目の前で歌っている、それだけで十分。感動ものなのである。

ひとりで生きる
元来淋しがりやだ。
東京の大学に進学して、親元を離れての始めての一人暮らしの時も、会社に入って結婚後の単身赴任時も、時々堪らなく淋しくてどうしようもなくなる時があった。
これからもっと歳を取り、万が一妻に先立たれるようなことが起こったら、一体どうなってしまうのだろう、と不安に思ったりもする。(絶対に妻より先にあの世に行くことにしているが)
ただ、元来人は一人の生き物である。ひとりで生きることを恐れてはいけないのかも知れない。
伊集院静の「ひとりで生きる」を読む。
少し違った観点での「ひとりで生きる」だが、人は決してひとりではない、凛として生きよ、の後押しは貰ったような気はする。

会計は時代とともに
企業会計に携わって来た身として少し興味を持って手に取った本ではあるが、固い内容を想像していた先入観は見事に裏切られた。
歴史上のさまざまな人物エピソードを交えて、特に政治家や起業家は元より画家、ミュージシャン達の話から会計の発展を語る内容は非常に楽しく読めた。
チョットした豆知識も満載。備忘のために一部を引用しておく。
・簿記と銀行はイタリアで産まれた。
・BANCO(銀行)は元は客と金のやり取りをする「机」の意味。
・「利息」はもとは「ウズーラ」、「INTEREST」は「失われたチャンスの補償」の意味であった。
・ジャガイモは16世紀にインカ帝国を滅ぼしたスペインによってヨーロッパへ運ばれ、現地語「PAPA」が「Poteto」となった。
・「八重洲」の地名は、ヤン・ヨーステン(耶揚子)の住んだ地域から命名された。
・「Audit」はラテン語「Audir」(聞く)から。
・フレンチフライはフランス名産にあらず、ベルギー産。アメリカ人がフランスの食べ物と誤解。
・ハイボールの名前の由来はボール型の信号機の出発進行の合図から。
・「Taste of Honey」はビートルズのポールのお父さんが好きな曲だが、ジョンレノンは気に入らず「Waste of Honey」と揶揄した。

どう生きるか?
コペル君が学校生活の中で経験する友達との関係や社会との関わりあいの中で、疑問や失敗や間違いを通じて、人間とはどう生きるのが正しいのか、何が一番大切なのかを考え、成長する姿を描いた作品。
昔から読み続けられる有名な作品だが、これまで読む機会がなく今回初めて手に取った。
コペル君が伯父さんのノートを通じて、いろいろなことを教えてもらったり、考えさせられたりという形式をとっている。古い作品だけに、今の感覚と少し合わないかと思われる箇所もあるが、根本に置かれている人として正しい生き方や行動のあり方は普遍的なものだ。 タイトルの雰囲気とは異なり、大変読みやすいのは若き児童や学生を意識したものかも知れない。
ちなみに今回読む気になったのは、本作品と同名のジブリ映画作品を見たのが契機だが、映画の内容は全く関係ないことが良く分かった。

広島カープ 頑張れ、新井さん

カープが強い。いや戦力的には強い訳ではないが、チーム全体でなんとか勝つという戦い方を続けている。
昨日は流石に10連勝で途切れて阪神に敗れて首位を明け渡したが、それでもここまでの戦い方は、シーズン前の評論家予想を見事に跳ね返した戦績である。
新井監督のチーム作りの賜物ではないかと考えている。とにかくチームのムードが良い。ベンチでの監督はまるで選手と一体化、共に喜び、常に労う。決して失敗した選手を責めるような発言はしない。辛抱しながら選手を公平に使う。初めはこの選手起用には少々抵抗を覚え、いつまで結果の出ない選手を使い続けるんだと思っていたが、そういった選手達が最後には活躍するシーンを何度か見せられたのだから納得せざる得ない。
このまま首位争いを続けていくのかどうかは分からないが(もちろんそうあって欲しいが)、新井さんを信じて応援していくことにしようと心に決めた。